1954年(昭和29年)から1973年(昭和48年)までの約19年間にわたる高度成長期において、盛んに促進された新築住宅の神話に対する崩壊と革新ではないかと思います。
少子高齢化などによる人口の低下により、全国各地で空家問題といわれる中古住宅のだぶつきなど社会問題化する中、中古住宅の新たな活用が模索され始めたという向きもありますが、本当の背景は住まいに対するメンタル的な変化でしょう。
ひとつは、新しい家がいい家であるという「新築至上主義」に対して、べつに新築じゃなくたって、自分らしく暮らせる空間があればいいじゃないかという新築にあえてこだわらない風潮と、住む人の家族構成やライフスタイルの変化に対応できるような住まい形態であること。おのおの自立したパートナーと共存できる空間であること。そしてなにより自分好みのスタイルの住まいが実現できることではないでしょうか。