「そえる×香り」
今回のリノベーションの主人公は会社員のご主人と奥様、そしてもうすぐ1歳の息子さんの3人家族です。 以前住んでいた賃貸アパートの更新のタイミングで、家の購入を決意されたそうです。
書店で様々な本や雑誌を見て、自分たちの住みやすい間取りを ゼロからカタチにしていけるリノベーションという方法を選択されました。
とりあえずご主人の職場と実家に近い、川崎で物件探しをスタート。 何件か内見をして、最後にたまたま紹介されたこの物件で、ピンと来るものがあったというお二人。
「のんびりとした感じがある駅前の雰囲気と、要望通り駅近にも関わらず とても静かな場所だということが決め手になりました」と物件の立地はご満足いただいたようですが、あまりの状態の悪さに本当にこの汚い部屋を買っちゃうんだ、と 自分を落ち着けるのに必死ではありましたけれど(笑)」と奥様がその時の本音を語ってくれました。
けっこうこういう感じを持たれる方も多いと思いますが、担当アドバイザーの「今はこういう状態ですが、一緒に理想の住まいをつくっていきましょう!」という一言で安心してリノベに踏み切ったそうです。
高い買い物ですから不安になるのは当たり前ですよね。
プランを立てるにあたって奥様の要望は、リビングで過ごす時間が圧倒的に多いので、キッチンもリビングと一体化させて、料理をしながらでも、常に家族とコミュニケーションを取れることが譲れないポイントでした。
ご主人のこだわりは床に張るフローリングの素材。家具と空間全てが馴染むようにオークのフローリングにしたいと考えていたそうです。とくに調べているうちに出会った “ヘリンボーン” という、ニシンの骨のように フローリング材を張っていく方法もぜひ取り入れたいというご要望でした。
デザイナーが提案したのは、「Plain Place(プレーンプレイス)」という コンセプト案。サブタイトルは、「そえる×香り」だったそうです。
シンプルな空間だけど、ラフではない、でもどこか味のある空間…そこにお2人の好きな北欧作家の小物をそえると、奥様のつくるお菓子の香りがふわりと漂う… そんなイメージをデザイナーと共有しながら、プランを決めてお二人の理想の住まいが完成いたしました。
完成したときに初めて対面した奥様は「理想のキッチンを目にしてこんなところで料理が出来るなんて!」と感動したそうです。
そのひと言でも、本当にキッチンに立って料理をすることが好きなんだなあと、奥様の喜びが伝わってきました。
引越してからは、友人を頻繁に招いているというお二人。「リビングが広いので、ダイニングテーブルをフレキシブルに動かしたり、椅子も好きな場所に動かしやすくて本当に便利なんです」とご主人もご満悦のようでした。
プレーンな空間にその時々の暮らしを “そえて”、その時にしか味わえない家の表情を楽しむ、そんなことを教えてくれるなんとも暖かなお住まいを実感できたリノベーションでした。