30歳代のマンションリノベーションの背景
都心や首都圏、地方の中心地の住み替えトレンドとしてますます注目されているマンションリノベーション。特に立地、環境に優位な中古マンションリノベーションでの生活が顕著になっています。
その主な理由としては下記のようなことが考えられます。
①生涯暮らしていく場所という概念から、とりあえず今現在のライフスタイルに合わせて生活空間を構築し、必要に応じて次のステージに自由変化していくという考え方が一般化しつつある。
②誰も住んだことがない「新築住宅至上主義神話」から、自分が快適に暮らせる好みにあった空間で暮らすためには中古にはこだわらないという合理性が定着した。
③職場や実家近いとか、日常の必需品が購入できる快適な周辺環境の立地など、築年数が古くても希望する場所に中古のマンションを購入してリノベーションを実現できる。
④新築マンションを購入するより、中古マンション購入費とリノベーション費用を足しても比較的安く済む場合が多く、それでいて自由で快適な住まいの実現が可能である。
⑤中古マンションを購入してリノベーションしても、資産価値が下落することが少ない。
参考サイト:グローバルベイツ「リノベーションマンションは資産価値が下がりにくい」
などが考えらています。
30歳代でリノベーションするメリット
自分の周りの30歳代で住宅を購入した、特にマンションを購入したという人が増えたような気がしている人はいませんか?
30歳代でリノベーションするには、こんなメリットがあることに気づいた人が増えたからかもしれません。
①生活スタイルの変化
結婚・出産による変化:内閣府の平成30年版「少子化社会対策白書」によると、平均初婚年齢は、平成28年で夫が31.1歳、妻が29.4歳となり、平成28年の出産平均年齢(出生順位別)は、第1子が30.7歳、第2子が32.6歳というデータが示されています。まさに30歳代は夫婦にとって出産、子育ての重要なターニングポイントであることは間違いありません。事実、結婚や出産を契機に住みかえを考えるケースが多く、リノベーションをする動機の一つになっています。
②資金の問題
保険でも住宅ローンでも借入れ時期が若い方が毎月やボーナス時の返済金額が低く、当然のことながら早い段階で返済が終了いたします。当たり前のようですが、早い時点で決断することが、長い目で見たときには、かなり有利な点が多いようです。
その裏づけとして、国土交通省 住宅局による「平成30年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、個人向け住宅ローンの実績として長 期 ・ 固 定 金 利 の 住 宅 ロ ー ン 等 に 関 す る 融 資 審 査 等の「審査項目」として融資を行う際に考慮する項目の上位3位までが「健康状態」(98.6%)、「借入時年齢」(98.3%)、「完済時年齢」(97.7%)とされています。
一般的に融資審査に有利なのは、年収の高さや、勤続年数にウェートが置かれているようですが、実際融資の際に重要視する項目の2位と3位に年齢を重視するというデータが見られます。
つまり、審査対象として、1位の「健康状態」も含め、長くローンを背負える能力があるかどうかが審査で重要になっていることがわかります。
それらを考えると35歳くらいまでにローンを組むと、意外とメリットがあるようです。
メリットとして、
①上記の理由で、審査が比較的通りやすい。*1
②団体信用生命保険に入りやすい。*2
③借入れ可能額が多くなる。
④借り換えがしやすい。*3
などがあげられます。
*1: 65歳が国民全体の28.1%、つまり3.5人に一人が65歳以上という現状で定年を70歳まで引き上げるという話がかなり話題に上っていますが、65歳で定年を迎えるまでに住宅ローンを返済して、少しでも老後の資金に回すという考えが定着しつつあります。その場合、逆算すると30歳に住宅ローンを申し込んだほうがいいと言うことになりますが、繰上げ返済で実際の返済年数を短縮することができますから、35歳でも65歳までにすべて完済することも可能です。
名目上は完済時年齢を80歳として審査を行う金融機関でも、65歳で完済することが審査の目安となっているようです。
*2: 団体信用生命保険とは、住宅ローンの債務者が死亡下場合に、住宅ローンの残債を肩代わりしてくれる保険で、健康であることが一番の条件であるため、若くて健康なうちに加入しておくことが、長い返済期間中も安心だという事ですね。
*3: 金融情勢の変化などによって、より有利な金融プランに乗り換える場合でも30歳代から借り入れておくと有利です。
50歳代になると借り換えの審査基準がかなり厳しくなり、なかなか思い通りの借り換えができないばかりか、審査に通らないこともありえます。基本的に40歳代までに審査をできるように計画することがいいようです。
より余裕を持って35歳くらいまでに考えて実践することが賢明なようですね。
③男性の「家事シェア」意識の高まり
オウチーノ総研(株式会社オウチーノ)の20~69歳の既婚男性860名を対象に行った「『料理』に関するアンケート調査」によると、「自宅のキッチンに立って料理をする頻度はどれくらいですか?」という質問に対して、19.9%が「ほぼ毎日」、28.1%が「週に1回以上」と回答し、約半数の既婚男性が、週に1回以上、自宅のキッチンで料理をしていることが分かった。
また「自宅のキッチンに立って料理をする頻度はどれくらいですか?」という質問をした結果、「ほぼ毎日」と回答した人が19.9%、「週に1回以上」が28.1%、「月に1回以上」が11.7%、「半年に1回以上」が8.6%、「年に1回以上」が2.9%、「全くない」が28.8%だった。約半数の既婚男性が、週に1回以上、自宅のキッチンで料理をしていることが分かった。
資料参照:「夫と料理」に関する実態調査(PR TIMES)
意外と言うか、現代の当たり前と考えるか、世の既婚男性は、キッチンに立つことが好きで、キッチンに対するこだわりが強いということですね。
特に30歳代の男性諸氏は顕著なようです。バックボーンとして、お店に集まってワイワイ騒ぐというよりも、自宅でホームパーティーを開いて気のあった友達を招待してゆったりと自由な時間を過ごすというスタイルが定着してきたからでしょう。
事実、マンションのリノベーションをするうえでキッチンのこだわりは、奥様に負けず旦那様の要望も多くあるようですから。