団地再生リノベーションのメリットとデメリット

※当サイトはアフィリエイト広告を使用しています。
気になる情報

団地リノベーションの存在が再認識されています。

現在、団地をリノベーションして、新たな暮らしをはじめる「団地リノベーション」に注目が集まっています。その要因として現在、都市部には新築用地が少なくなったからと言われています。

そもそも「団地」とは、同一敷地内に建てられた共同住宅の集まりを「団地」と呼びますが、一般的認識として日本住宅公団(現・都市再生機構)による公団住宅、あるいは都道府県や市町村による公営住宅を指すことが多いようです。

団地は、昭和30年~50年ごろ、経済成長による都市部の住宅不足の解消を担う存在として多く建設されました。つまり築年数40年以上の物件になります。

間取りも当時主流の「布団で寝る」暮らしを反映した、和室や押入のある物件がほとんどなので、洋室にベッドを置く現在主流のスタイルにあわせて、和室を無くして全面フローリングにリノベーションするケースが多く、比較的リノベーションやリフォームの自由度が高いということも人気の一つです。

団地リノベーションは、古くなった団地の内装を設備も含めて室内全て解体撤去し、現代の暮らしに合わせて改装したものをいいますが、団地ならではの規制や決まりがありますので、メリット、デメリットを比較してご紹介します。

団地リノベーションのメリット

・リノベーションは意外と自由で、自分好みの暮らしがもとの部屋をいったん解体して、躯体だけの状態にし、間取りや内装・設備を最初からデザインする「スケルトンリノベーション」にすると前の住人の気配を感じることはなく間取りも設備も新築同様に変更することが可能です。

たとえば団地に多くみられる壁付けのI型キッチンは、背面の壁にタイルを採用するだけでも、見た目の印象は変わってきます。

換気扇や水栓、コンロなども新しい設備に取り換えると、大枠は変えずとも雰囲気をガラリと変えることができますよ。

マンションや団地のようなRC造・S造の集合住宅の場合、住戸内の間仕切り壁は壊せる場合がほとんどなので、閉鎖的な印象の部屋も間仕切りを取り払い、開放的な空間を生み出せます。

①購入費用を抑えることが出来る
多くの団地が現在築40年を超えるものがほとんどなので、比較的購入費用が安いのが特徴です。

建物の価値は新築時が一番高くあとは下がり続け、築20~25年程度で底値になります。団地はその多くが築30年以上を経て価格がほぼ底値となってますので、立地や間取りといった条件が同じなら、新築のおよそ半額で購入できます。

②建物構造の丈夫さ
団地の多くは「壁式構造」という、建物を面で支える丈夫な構造が採用されています。

「阪神・淡路大震災と RC 造建物の被害」の中でも、壁式構造の調査数518棟のうち、大破以上の被害は 1.9% 程度にとどまつていた。」という報告がされ、実際に住む際にその頑丈さは安心要素のひとつといえます。

③住民間のコミュニケーションが充実
長い歴史の中で培った既存の充実したコミュニケーションで住民同士で協力しやすいのもポイント。さらに、広い敷地をぜいたくに利用した公園・緑地も団地の特長で、のびのびと子供たちが成育できる環境が整っています。
また防犯上でも、団地内の公園なら住民の目が届くので、安心して子どもたちを遊ばせられることが考えられます。

引用:SUVACO

団地リノベーションのデメリット(注意点)

①共用部分はリノベできない
団地の中で住民がリノベーションできる範囲は、住戸内(専有部分)に限られるため、玄関ドアやバルコニー、窓ガラスやサッシは共用部分になるので改装はできません。
また住戸の広さや天井高といった、部屋の「枠」は変えられません。
*対策として構造体(スラブ)と部屋からみた天井の間に空間がある場合(二重天井)、スラブ面をあらわにすれば、天井高はある程度高くできます。
壁や床の薄さは、遮音材・断熱材の使用でカバーできます。
窓の断熱や防音については、インナーサッシを取り付けることで対策が可能です。

②構造壁は動かせない
壁式構造の団地は壊せない壁(構造壁)があるので、物件選びの際は、間取りのジャマにならないか検討する必要があります。
水回りのPS(パイプスペース)は、各住戸の給排水配管をまとめて納めている空間のため動かせません。そのためキッチンやトイレといった水回りは、PSからあまり離れて設置できません。

③電気・ガスの容量にご注意
古い団地では、給湯設備はキッチンが瞬間湯沸かし器・浴室がバランス釜というケースがあります。ガス給湯器に変える場合、外壁に設置することになるため、管理組合の許可が必要になります。
物件によっては電気・ガスの容量がそもそも小さいことがあったり、容量の上限が決められていることも多く、容量の大きな給湯器やガス暖房を導入できないといった問題が起こります。
追い焚き機能の後付や、IHヒーターの導入を考えている人は、内見の際に、事前に容量をチェックしておくことが重要です。

④近隣住民との関係が煩わしい
団地には、1人暮らしの老人や子育て世帯など、積極的にコミュニケーションをとろうとする人も多いことが特徴となっています。
日々交流があるわけではないものの、隣人が家を訪問したりイベントや外出に誘ったりと、頻繁に交流をもとうとするケースもあります。自分のタイミングと合わない場合など、精神的な負担になることもあるでしょう。

メリットでもあるコミュニティーですが、歴史のあるコミュニティーだからどんな人が住んでいるのか非常に気になるところですし、出来れば事前に確認したいところです。それを確認する方法の一つとして、郵便受けやゴミ捨て場、駐輪場など、共用部分が荒れていないかどうかは一つの判断基準になります。

また、不動産会社等によく確認しておくことも大事です。

⑤エレベーターが付いていない場合も
昭和40年頃までに建設された団地は5階建てでエレベーターがないケースも少なくありません。エレベーターがあっても小さく、家具や大型家電品の搬入が困難な場合が考えられます。

⑥騒音問題が発生するリスク
マンションやアパート、戸建てでも生活音が響くことはありますが、団地の場合は、小さな子どもをもつ家庭が多いことから騒音問題が発生するリスクは認識しておく必要があります。

⑦建て替えのリスク
団地には建て替えのリスクもあります。せっかく自分好みに団地をリノベーションしても、すぐに建て替えられては元も子もありません。

建て替え計画があるかどうか、また建て替え計画実行の必須条件である住民の賛成状況(建て替えには5分の4以上の賛成が必要)などを確認しましょう。

引用:SUVACO

「団地再生プロジェクト」

UR都市機構や全国の住宅供給公社と大学・民間企業が連携して「団地再生」を目指す取り組みが活発化しています。
空き住戸にリノベーションやリフォームを施して販売したり、カフェやコミュニティスペースをつくって住民間の交流を促したりして、若い世代の流入を図る取り組みです。

例えば、UR都市機構とMUJIの共同によるデザイナーズ賃貸住宅や、地域の住宅供給公社と大学・民間企業の連携によるリノベーション済み物件(賃貸・販売)が代表的なプロジェクトです。

リノベーションやリフォームができるUR都市機構の賃貸住宅「UR-DIY」も人気です。

UR-DIYは原状回復の義務がなく、プランニング・施工期間として3ヶ月間無料で使用できます。リノベーションやリフォームで変えられる範囲は団地によって異なりますが、間取りを自由に変えたり、壁や床材を好みの色・素材に取り換えたり、浴槽を交換したりと、かなり自由度の高い団地も見られます。

参考:SUVACO
参考:URリノベーション済賃貸住宅
参考:MUJI×UR団地リノベーション
参考:ゼロリノベ

まとめ

購入費用が抑えられ、その分リノベーションに費用をかけられる団地リノベーションです。コミュニティーが充実して、周辺の生活環境も整った立地が同時に得ることが出来るので、事前によく確認して検討するのも賢い選択ですよね。

UR都市機構と民間のプロジェクトの賃貸住宅なども魅了的です。ぜひ検討の一つとして考えてみてはいかがですか。