土間リフォームといえば、かつては玄関土間の拡張が主流でしたが、現在はリビングの中に土間空間を設けた『土間リビング』など、より自由な空間の楽しみ方が広がっています。
戸建てのイメージが強い『土間』ですが、いまマンションにお住まいの方から「リフォームで土間をつくりたい」という人が増えています。
この記事では、土間リフォームのメリット・デメリット、工事のについて解説していきます。
【土間】とは
土間とは、屋内に設けた「土足スペース」のことで、屋内と屋外の中間のような役割を果たしています。
一般的に戸建ての、特に古い木造家屋では、玄関に大きな土間空間を設け、炊事場や仕事道具の手入れ・収納の場としていました。
現在は、より多目的に利用できる土間空間を希望する人が増え、実際に施工例も増えています。
たとえば玄関土間に大容量のシューズクロークを設けたり、さらにベビーカーや自転車置き場を設けるケースや、縁側のような軽い応接スペースとして有効スペースを生かすために利用するケース。
玄関とは別に、リビングの一角、たとえばベランダやテラスに続く窓側を土間空間として、ガーデニングを楽しめるインナーテラスとしたり、子どもやペットの遊び場として利用するケースもあります。
靴のまま出入りできる空間を考え直すことで快適な空間がひろがり、家の中の過ごし方・楽しみ方が広がります。
土間のメリット
①汚れを気にせず利用できること。
観葉植物の手入れや、ペットと遊んだり、DIYや、自転車やバイクのメンテナンスも天候左右されず土足で作業ができます。
②靴や外で使うアイテムの収納場所を確保できる
玄関土間を広くとることで、不足しがちな靴の収納場所を確保できることも魅力のひとつですね。
来客時に靴で玄関がいっぱいになってしまうことも防げますし、アウトドア用品などを収納したり、ベビーカーや自転車置き場のスペースも確保できます。
靴のまま片付けて、また取り出すことができ、靴の着脱の動作もなく動線もスムーズに楽になります。
③快適な空間が広がる
リビングなど居室空間の一角を土間とすることで、有効な空間が広がり室内での過ごし方がより多様になります。
窓辺をインナーテラスとして鉢植えを並べれば、庭のないマンションでもガーデニングを楽しむことができたり、庭のある家でも、屋外と室内と繋ぐ中間スペースとしてさまざまな活用方法が考えらます。
一般的にフローリングなどの仕上げより、土間部分の床が一段下がるため、空間に視覚的な広がりが生まれることもメリットです。
土間のデメリット
①居住スペースが狭くなってしまう
限られたスペースの中で土間を広く取ることは当然、部屋に取れるスペースが確保できなくなることです。
ひと昔前のマンションでは、居室を少しでも広くしようと玄関はできる限り小さく計画されていましたが、土間の有効性に注目されたことで土間の活用を接触的に考える人が増えています。
居住スペースとの兼ね合いを考え、全体の中でバランスを考慮することが大切です。
②季節による温度変化が激しいこと
とくにコンクリートの土間床は冬は冷えやすくなります。土間リビングとする場合はリビング側への影響も考慮して計画する必要があります。
③床に段差ができること
土間と居室の間は、床に段差ができることが一般的なので、年齢を重ねると負担となる可能性が懸念されます。
車椅子を使用する場合は、段差が移動の障壁になってしまうので、老後の生活環境も考えておくことが賢い選択です。
使用目的にもよりますが、コンクリート打設の土間ではなく、フローリング部分と同様に下地を組んでタイルなどの水に濡れてもよい素材で仕上げ、サンダルで過ごせるスペースを設ける方法もあります。
この場合は床面をフラットに仕上げることも可能です。
マンションに土間をつくる方法は?
土間というと戸建てのイメージが強いですが、玄関土間を拡張する、部屋の窓辺のスペースを土間空間にする等、マンションにも土間を作ることは可能です。
プランにもよりますが、土間を設けるとなると多くの場合間取り変更を伴うため、住まい全体のリノベーションと合わせて計画する人が多いです。
ただし、マンションの場合、構造上壊せない壁や、配管経路が障壁となって希望通りに土間を拡張できない場合や管理規約によって床材が限定されている物件もあり、この場合は土間で仕上げられない可能性があります。
土間をリフォームする際に注意すべきポイント
土間のメリットを生かし、デメリットをカバーするには、どんな点に気を付ければ良いのか、土間空間をリフォームで取り入れる際に注意すべきポイントをまとめます。
汚れ対策
土足のまま出入りする土間は、当然のように外汚れがそのまま持ち込まれることになります。
土間は通常コンクリートで仕上げますが、コンクリートは水で洗い流せ、こまめに掃除をして汚れをため込まないことが大切です。
とくに土間空間と居室が隣接している場合は、居室に汚れを持ち込まない工夫が必要となります。
例えば居室側の入口に汚れを拭うマットを敷いたり、ガーデニングや自転車のメンテナンスなど土汚れや油汚れを触る場合は、手洗い場を近くに設けると便利です。
寒さ対策
土間は温度変化の影響を受けやすいもの。とくに冬場は冷えるので、ストーブなどの暖房設備やブランケットなど、寒さ対策が必要となります。
湿気対策
冬に冷えやすいということは、結露が発生しやすいということに直結します。
その結果、結露からカビが発生すると居室スペースにも影響が出るため、湿気対策も重要です。
湿気がこもるのを防ぐには、換気性能、空気の流れを確保することが重要で、家全体を空気が通り抜けるような間取りにする、珪藻土や漆喰など調質効果のある壁材を採用するのもおすすめです。
オシャレな土間リフォーム事例
どのような土間空間にリノベーションできるのか、事例をご紹介します。
縁側のような土間空間
マンションの狭い玄関を、一室分の広さをとった土間空間にリノベーションした例です。
小上がりの畳スペースを設けることで、ちょっとした応接スペースとくつろぎの空間を兼ねた「縁側」を演出しています。
小上がり内部は収納空間となっています。
⇒詳しくはコチラから
土間を通って「プチ出勤」
玄関土間を拡張し、自転車置き場や大容量のシューズクロークを併設。
居住空間とワークスペースをあえて切り離し、『離れ』のような感覚で土間を通って仕事場へ移動する動線としました。
靴を脱ぎ履きすることで仕事とプライベートを切り替える、リモートワークに最適な間取りです。
⇒詳しくはコチラから
土間のダウンリビング
特徴はなんといっても、土間リビング。
LDKの1/3以上をコンクリート打設の土間仕上げとし、フローリング部分に腰掛けられるダウンリビングにリノベーションしました。
土間部分は猫ちゃんの遊び場に最適。汚れや水濡れを気にせず、リビングに多様な表情をもたらします。
⇒詳しくはコチラから
玄関から一体化した土間リビング
玄関とリビングを土間で一体化したリノベーションの例です。
駐車場⇒土間⇒キッチンへと靴のまま移動できる動線で、買い物の荷物の移動も楽ちんに。
⇒詳しくはコチラから
おわりに
近年人気を集めている土間空間は暮らし方によって、趣味のスペースにしたり、収納スペースにしたりなど、土間の活用方法はさまざまです。
多くの実例と実績を持つ「ひかリノベ」なら、限りなく希望に沿うリノベーションを実現する準備があります。
ぜひ一度「ひかリノベ」にご相談されてはいかがでしょうか。