物件の売却はどうしたらいいでしょう
例えばより良い条件の場所に買い替えでリノベーションを考えるとき、今のお住まいを処分して買い替え資金に充当したい場合、貴方は「仲介売却」を選びますか?それとも「買い取り」を選びますか?
今回はその点について「仲介売却」と「買い取り」の比較をしてみたいと思います。
「仲介売却」と「買い取り」とは
まず、「仲介売却」とは、売主と買主(それぞれ主に個人)間に不動産会社が仲介として入り、売買契約を取りまとめることで、一度媒介契約を締結すれば、申し込まれた不動産会社が広告や内見などの販売活動を行ないます。
「買い取り」とは、売主と買主を仲介するのではなく、不動産会社が買主となるのが「買い取り」です。売主は不動産会社と直接価格などを交渉し、条件がまとまればすぐに契約に進めることが可能で、広告や内見などの販売活動を行う必要がありません。
買い取りには、「即時買い取り」と「買い取り保証」の2つの方法があります。
即時買い取り
即時買い取りとは、買い取り額の交渉が終わり次第、不動産会社がすぐに買い取ってくれるというシステムです。
最大の特徴は、現金化までのスピードです。おおよそ最短3日から1週間、長くても1カ月以内で売却できるようです。
物件の価格査定は行われますが、訪問査定1回で済む場合がほとんどで、購入希望者が内見にやってくることもありませんし、ご近所にチラシが配布されたり、市場での販売活動は一切行われないため、出来るだけ他人に知られないで現金化したい場合にはオススメです。
ただし、市場価格より1~3割ほど安い価格での売却となるケースが多いようなので注意が必要です。
買い取り保証
一定期間、仲介を目的とした販売活動を行い、その間に契約がまとまらない場合は、不動産会社と事前に約束した金額で買い取ってもらうというシステムです。
買い取り保証は、いつ売却できるかわからないという仲介のストレスを考えずに、期間内に成約すれば市場価格で売却できるし、期間内に決まらず買い取りとなった場合には仲介手数料は発生しません。
買取保証における仲介期間は基本的に3カ月とされています。
結局のところ「仲介売却」と「買い取り」どちらが有利?
「仲介売却と「買い取り」のどちらが有利なのかということについては一概に判断はできません。それぞれの事情や状況によって、向き不向きがあるのでそちらを紹介いたします。
まず、「仲介売却」が向いている物件は
その対象となる物件が築浅、好立地、管理状態がいい、比較的交通の便がいいなど、そのままでも十分商品価値があるとか、そんなに急いで売却出来なくてもいい余裕がある場合とか売却価格がダウンしにくいので、「仲介売却」に向いています。
「買い取り」に向いている物件は
- 転勤が決まっておりすぐに売却したい
- 県外の不動産を相続しており、売却に手間をかけたくない
- 現金化する時期が決まっている
- 仲介手数料を払いたくない
- 売却することを知られたくない
- 造成や解体などすれば売却できるが、そのための費用を捻出できない
- 築年数が古い
などの理由がある場合には「買い取り」が向いています。
「買い取り」と「仲介売却」のメリット・デメリットを考えてみましょう。
前項と重複するようなことですが、システム上のメリット・デメリットが分かったほうが、より理解しやすいと思うので比較してみます。
「買い取り」のメリット
- 買い取り専門の不動産会社が独自の査定で価格を決めて買い取りをするので、早期の買い取りが出来る。特に現金化したい期日が決まっている場合には好都合です。
買取額で交渉がまとまればすぐに契約を行い、司法書士の登記手続き等を経て、すぐに現金化できます。すぐにでも現金化したい理由がある時には即時買取を、時間に余裕がある時には買取保証を選ぶと良いでしょう。
- 買い取りの不動産会社と直接やり取りをするので、ほとんど周囲に知られずに売却が可能です。特に厄介なご近所や、知り合いに知られることを極力回避できます。
- 瑕疵担保責任の免責
瑕疵とは平たく言えば「家の欠陥」のことで、よくあるケースとしては、「よくわかりにくいシロアリ被害」とか、「見えない配管からの漏水」、「家の傾き」などがありますが、買い取るのは不動産専門の会社で、それ専門のプロが行いますのでそれだけのリスクは織り込み済みということです。
買い取りの場合には買い取った不動産会社が「瑕疵担保責任」を負うので売主は免責されます。
ちなみに仲介の売却の場合には、瑕疵担保責任の期間中に気づき、1年以内だったら売主が欠陥の補修をしなければいけませんが、買い取りの場合には買い取った不動産会社が「瑕疵担保責任」を負うので売主は免責されます。
稀なケースとして、接道義務を果たしていない物件や、自殺や事故など心理的瑕疵のある物件でも、周辺の物件とまとめて有効活用するなど出来る場合は買い取りしてもらえることがあります。しかし市場価格よりかなり安くなってしまうことは覚悟しなければなりません。 - 内覧の煩わしさがない
「買い取り」は不動産会社による価格査定が完了すれば、その後内覧の必要はありません。
内覧のためにわざわざ家の中を整理したり、いろいろ気を使ったりすることはありません。
- 仲介手数料がいらない「買い取り」では、不動産会社がリノベーションなどで付加価値をつけたうえで、販売して利益を得るために行うので仲介手数料は発生しません。
※ただし、直接「買取業者」ではなく不動産会社が紹介してくれる場合は仲介手数料は発生します。
「買い取り」のデメリット
- 仲介による売却よりも売却価格が低くなる
「買い取り」の不動産会社はリノベーションなどで付加価値を付け、相場価格で再販することを前提で買い取るため、仲介での売却価格より価格が低くなることが一般的です。
物件の状況などにもよりますが、仲介での売却価格の70%~80%くらいが買取価格の相場と言われています。 - 物件の状況、エリアによって買い取ってもらえないケースがある
不動産会社は買い取った後、リフォーム・リノベーションを施して付加価値を付け、その物件を再販します。そのため、需要が低いエリアやリフォーム・リノベーションが難しいほどに老朽化した物件、再建築不可の物件など、不動産会社が不可価値を付けても転売が難しく利益を得られないとみなした場合は、買取に応じてもらえないこともあります。
基本的に「買い取り」はあらゆる不動産で対象になりますが、売りやすいということから、取り扱いが多いのはマンションという傾向があります。
戸建てや土地は再販売するまでの手間がかかることなどから、どうしても敬遠されがちな傾向にあります。 「買い取り」は仕入れと転売が基本なので、売りにくい「需要が低いエリア」や、手間のかかる「リフォーム・リノベーションが難しいほどに老朽化した物件」、商品価値が落ちる「再建築不可の物件」など、転売が難しく利益を得られないとみなした場合は、買取に応じてもらえないケースもあります。
「仲介売却」のメリット
- 時間をかけて納得のいく価格で売却を行える
- 一般に公開するのでより好条件に出会える機会が期待できる
- 相場を目安にしながら売却価格を決定できる
- 売却と購入が同時に解決する
- 資金相談(ローン対策)、税金対策が相談できる
などで、比較的時間に余裕があって、なるべく高価で売却したいという人向きですね
「仲介売却」のデメリット
仲介の場合は、基本的に「買い取り」の場合と相反することが、デメリットと考えられます。
- 売れるまで時間がかかることが多い
- 売却のための告知が必須となりますので、周囲に知られる可能性が高い
- 好条件で売却するために清掃やリフォームなどの手間がかかる
- 瑕疵担保責任がある
- 仲介手数料がかかる
- 仲介を依頼した不動産会社の査定価格は、あくまで「売れるであろう」といういわば見込みの価格であり、「買い取り保証価格」ではないので、状況によってはダンピングの可能性がある
などです。
「不動産買い取り会社」について
ひと口に不動産会社といっても、得意・不得意な分野があります。
主に中古のマンションや中古戸建てを購入し、リフォームやリノベーションといわれる全改装を行い、付加価値を付けて転売することで収益を上げることが業務内容であったり、古家を取り壊し更地化したうえで新しい建物を建てて大規模に販売する会社もあります。
どちらにしても安心して任せられる不動産会社を選ぶことが最も重要で、売却の第一歩になります。
また、複数の会社から見積もりを出してもらい、比較検討することも大事ですね。
ご自身の大事な財産を売却するのですから、適切な売却方法と信頼できる会社を選んでください。
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