マンションリノベーションでどんな間取りにしようかと思った時、何から考えますか?
LDKはなるべく広くしたい
キッチンは対面式で「カウンターが欲しい。
広い収納、ウォーキングクローゼットが欲しい。
風の通りがよくて日の光がいっぱい注がれるレイアウトがいい。
いえいえ、もっと基本的に大切なことがあります。
それは【動線】です。
リノベーションでいう【動線】とは、生活している人が自然に動くときに通る経路の軌跡のことです。
家の中で行われる料理、通勤や通学、来客の訪問などのさまざまな活動を一連の動線として捉え、それぞれの動線に基づいて家の間取りを考えるのが重要なポイントとなります。。
使い勝手の良い家を目指しリノベーションを考えるのに特に重要となるのが、家事動線、生活動線、来客動線の3つをまず考えることです。
家事動線
家事動線とは、炊事や洗濯、掃除など家事をするときの動線です。生活の中心となる動線で、道路で例えるなら「幹線道路」ですね。
家事で特に手間と時間がかかるのは料理と洗濯ですよね。
料理、洗濯、掃除など、家事の大半は繰り返したり行き来したりする動作で構成されていますから、できるだけ動線の距離を短くするのがポイントです。
家事は毎日続きます。
リノベーションの際には必ず家事動線を確認し、最適な動線を取り入れた計画を立てるのが重要なんですね。
生活動線
生活動線とは、寝る、トイレに行く、洗顔する、風呂に入るなど毎日生活する上でのルーティンというかある程度決められた道筋。例えば通学路とか通勤経路みたいなもんですね。
この動線は家族それぞれで異なり、年齢や年月でも変化しますし、子どもが成長するに従い行動範囲が広がり、生活のリズムも変わります。
また、長期的に考えると、ライフスタイルの変化によっても変化します。
将来、子どもが独立すれば子ども部屋の使い方や、親世代も体力面の変化に伴い、バリアフリーな動線が必要になるでしょう。
来客動線
来客動線とは訪問客の動線のことで、日常毎日必要かというとそれほどではありませんが、第三者の動線なので、寝室や洗濯前の衣類、脱衣場や浴室、雑然としたキッチン内部などプライベートは見せられない動線ですね。
来客動線を生活動線と重ならないようにすることがポイントです。
しかし来客動線を考えることは、人を招きやすい家づくりにもつながるので、そこそこ重要な動線と考えたほうがいいでしょうね。
動線の組み立て方
では具体的に動線を組み立てるにはどうしたらいいのでしょうか。
それは一連の作業工程を分解して考えてみることです。
例えば、家事動線のなかでも料理に関わる動線は、料理の一連の動作を考えてみましょう。
- 食材を購入し冷蔵庫に入れる
- シンクで洗う、準備する
- 切ったり混ぜたり下準備をする
- コンロで調理する
- 食器を出し盛り付けをする
- 食卓に出す、食後片づける
- 食器や器具を収納する
食事の後には
- 食器をシンクに戻す
- 食器を洗う・食洗機に入れる
- 洗い終えた食器を収納する
- 生ごみの処理をしてシンクを磨きあげる
- ダイニングテーブルやダイニングの床を拭く
などが一連の流れでしょうか。
ではこの流れをスムーズになるべく省エネで行うためには、
- 玄関から冷蔵庫のあるところが近い
- 冷蔵庫とシンクが隣り合っているか向かい合っている
- シンクの脇で準備ができるスペースがある
- コンロが隣接している
- 盛り付けのカウンターがあったほうがいい
- ダイニングテーブルが近くにあるほうがいい
- シンクのそばに収納スペースがあったほうがいい
など動線のヒントが導き出せます。
洗濯の動線も同様に
- 服を脱ぐ
- 洗濯機に入れ洗濯する
- 洗濯機から取り出し干す
- 服を取り込む
- アイロンをかけたたむ
- 収納する
など一連の流れをスムーズにするにはどういう動線がいいかを考えるということです。
上記から導きだされることは
- 浴室や着替えるところのそばに洗濯機を置く
- 洗濯機から干す場所が近い
- 干す場所にアイロン掛けが出来る場所がある
- 出来れば折りたたむスペースもあって収納場所に隣接している
などがわかると、「浴室とランドリースペースとクローゼットが回遊できるレイアウトがいいなあ」などという動線が見えてくるかもしれません。
生活動線や来客動線も同様に、普段の行動やこうしたいということをベースに、動線を組み立てれば、全体の動線が見えてくると思います。
リノベーション会社の設計担当やデザイナーも、ご家族がどういう行動をするのか、またはそういう動きが心地いいのかというパーソナルな情報がないと、的確な動線のアドバイスや提案はなかなかできません。
もし設計やデザイナーがいままでの経験から、ベストな動線を提案したとしても、実際生活してみると、「なんか違和感がある」というケースもあり得ます。
ご家族の毎日の行動を考えて、アナタが一番過ごしやすいと感じる動線のイメージを持って、相談するということがリノベーションを成功させる一つの秘訣です。
【動線】を意識した事例を参考にするのもいいですね。「リノベる」はその実績を多く公開しています。ぜひ参考にしてください。→公式サイトはコチラから
実例からわかる快適な動線の考え方
実例をもとに、快適な動線の考え方を見てみましょう。
リフォーム前は入り口から入って一番奥にキッチンがあり、それも行き止まりです。なおかつキッチンからパウダールームに行きにくいですね。
一方、リフォーム後は、キッチンとパウダールームそしてウォークインクローゼットが回遊的につながって、扉も1つになり、ウォークインクローゼットのある主寝室からも出入りができて動きにもムダがなくなりました。
このように家事動線と生活動線が重ならず、家事がしやすい間取りの一つのポイントはキッチン・リビングダイニング・サニタリーの3か所を上手につなげることだと考えます。
もう一つはできれば回遊動線を効果的に作り出すことです。
朝の忙しい時間には家事動線も生活動線も混雑します。一方向で出入りしていると当然渋滞になりやすいですが、回遊動線だと、スムーズに目的の場所に行けるし、渋滞しにくくなるからです。
まとめ
快適なリノベーションを成功させる秘訣は「動線」をうまく配置することです。
- リノベーションを計画する時にまず最初にやる重要なポイントは【動線】を決めること
- 動線には家事動線・生活動線・来客動線の3つがあるということ
- 動線を決めるには、日常の家族の動きを把握して、心地いい動線を探り当てること
- 家事動線・生活動線・来客動線がなるべく重なり合わないようにすること。
- 家事動線・生活動線はできれば回遊式動線が好ましいということ。
以上のことを参考に、快適なリノベーションを実現していただければ幸いです。
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