こんなマンションはリノベーションに向かない6の鉄則
前回はマンションリノベーションに向く人の記事を掲載しましたが、今回は、リノベーションに向かないマンションについて検証しました。まずはマンションの構造です。
① 壊せない構造壁がある壁式構造には注意が必要です。
マンションには構造にはラーメン構造と壁式構造の2種類の様式があります。
ラーメン構造は室内に柱型・梁型が出て基本的に壁がなくても強度的にさほど問題がないので、間仕切り壁を移動させたり、ワンルームのような空間にすることも容易にできます。
一方、壁式構造は壁で建物の力を支えているので、間取りが壁の位置に左右されてしまいがちになります。
壁を取り払い、広いLDKなどを実現したいなどと考えている場合は、よく業者の方と相談してみてください。その際、リノベーションの経験が深いリノベーション専門会社に相談されたほうがいいでしょう。
一見して5階建て以下の中低層マンションは、壁式構造で建てられることが多いようですので、参考にしてください。
② 床スラブ貫通配管は避けましょう
毎日の生活に影響するのが「水回りの配管」です。
各ご家庭ではそれぞれの生活スタイルから水まわりの動線がことなります。現在主流になっているのは、床スラブ上配管という方式で室内の床と、床スラブ(躯体のコンクリート)の間に配管を通しており、配管に傾斜をつけたりすれば、位置を変えることができます。
しかし、古いマンションでは床スラブに配管を通し、下の階の天井裏から排水管に接続する床スラブ貫通配管となっている物件を見かけるケースがあり、この場合配管の移動は不可能ですし、配管のメンテナンスに支障をきたすこともあります。
見た目ではとてもわかりにくいので、こちらも壁と同様、リノベ会社に判断をあおぐ必要があります。配管の位置によって、キッチンや浴室の位置が変えられない可能性があることだけは覚えておきましょう。
③ 新耐震基準をクリアしていない
マンションのリノベーションができるのは専有部分、つまり自分が住む空間だけで
共用部分の維持管理や修繕は、管理組合が行います。(窓、玄関ドア(外側)、ベランダなども共用部分です)
当然、マンション全体の耐震改修工事は個人ではできませんし、かなり大掛かりな工事になることは間違いありません。
それだったら、耐震処置がしっかりされているマンションを選ぶことが重要になリますね。
耐震基準は、1981(昭和56)年6月1日の建築基準法改正後、いわゆる新耐震基準となり、それより前は旧耐震基準として区別されます。
つまりその物件が、1981年6月1日以降に建築確認を受けていれば新耐震です。これが目安となります。(ただし、1982年ごろに完成した物件だと、旧耐震基準で設計されている可能性があったり、旧耐震時代の建物でも、耐震診断を受けて十分な耐震性があると確認されていたり、耐震改修済みの物件もあります。またたとえ新耐震であっても、地盤の弱いエリアでは、リスクが高まることもありますので、念のため事前に不動産会社に確認してください。)
④ 維持管理が適切に行われていない
躯体を含む共用部分の管理や修繕は、管理組合の役割です。その管理組合の意識によって、管理の状況にも差が出てきます。
つまり、たらしのない維持管理がされているマンションはおのずと見た目でも現れるものです。
次のポイントに注意して判断するのも重要なことでしょう。
・外壁に目立ったひび割れやはがれがある
・バルコニーの亀裂、手すり等の錆が見られる
・屋上の水たまりや、防水のふくらみ(屋上の床が波立っている等)
・エントランスや階段の清掃状況
・駐輪場、駐車場、ゴミ置き場の清掃状況
・その他共有部分にある、壊れたり劣化したままになっているもの
・長期修繕計画がなされている。(国土交通省のガイドラインでは、(中古マンションの場合)25年後までの計画を立てておくように推奨されています。)
・修繕履歴の記録をきちんと記録を残しているかどうか
(修繕計画や履歴は管理規約と同様、不動産会社に手配を依頼しましょう。)
⑤ すでにリフォーム・リノベーションをしたことがある
中古マンション中には、売り出す前にリフォーム・リノベーションを行っている物件があります。当然ですが、その費用は物件価格に反映されます。
せっかくあなたのためのリノベーションをするなら、リフォーム・リノベーション前の物件のほうが、リノベ向きのお買い得物件だと言えるのです。
⑥ 築年数が20年以下のマンション
すこしでも新しいほうが得なように思われますが、要は「資産価値」問題になります。
確かに新築や築浅(築年数が新しい)物件は需要も多く、高値で売り出されますが、築20年が経過するまでは、短期間で資産価値が大きく下落していくというデータがあります。
新築から5年で一気に価格が下落し、一方で20年を過ぎると価格変動が緩やかになっていく傾向があります。将来売却することになっても価格が安定していれば、購入価格に近い値段で売ることも可能です。
以上ざっとご紹介いたしましたが、上記に挙げたことはあくまでも「リノベーションには向いていないマンション」のことで、その点紛らわしいと思いますが、くれぐれもお間違えにないように、ご参考にしてくださればうれしいです。
参考:ひかリノベ リノベーション向き中古マンションの選び方「6つのポイント」
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