引き続きマンションの「断熱」あれこれ

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気になる情報

「断熱」にもいろいろありますねえ

日本のマンションはいまだに「断熱」が不完全な物件が多いんです。

まして中古マンションを購入しようとする場合、30年以上前の建物に「断熱」の意識が今ほど高くなく、ほとんど施されていない物件もあるようです。

立地が良くて、周辺の環境もいい、管理体制もいいからぜひこのマンションに住みたい。と思ったマンションが築年数がたっていて「断熱」処置が十分でない場合には、壁や床に断熱材を入れ込むという方法が、一般的で、コストパフォーマンスもいいようです。

2つの断熱方法のメリットとデメリット

断熱材を壁や床、天井に入れる時は、乾式断熱と湿式断熱の2通りがあり、どちらかの方法を選ぶことになります。

それぞれのメリットとデメリットを知ったうえで、いづれかを選択することがおススメです。

乾式断熱

木材を固定して作った下地の間に、発泡スチロール状になった断熱板をはめ込んでいくというものです。

メリット

湿式に比べて比較的簡単に工事ができて費用も安くすむ点です。

また、断熱材の種類も豊富なので予算との兼ね合いで断熱性能を選択することができます。

デメリット

そもそもの断熱材が板状になっているため複雑な形状の場所には貼り付けられません。それに、断熱材と断熱材の間にはどうしても微小な隙間ができてしまい、そこから熱が拡散したり、入り込んだりすることがあります。


正直言うと、施工業者の技術のよし悪しが断熱性を左右するケースもあります。

最近では、その欠点を補うために下地の間にはめ込んだ断熱材の上にさらに断熱材を貼り、その上から仕上げをするという方法が主流になっていますので、その辺を確認出来れば安心ですね。

湿式断熱

乾式と同じように木材で下地を作った後、その中に泡状の断熱材を吹き付けていくという工法です。

メリット

泡状になっているので複雑な形状でも施工が可能で、しかも、乾式と違って隙間ができることがないので、より高い気密性による断熱効果が期待でき、業者によって仕上がりにあまり偏りがないので安心な工法です。

デメリット

施工の難易度が高く専門業者しか取り扱えないということです。つまりその技術を持った施工業者に依頼せざるを得ない点ですね。

以前は断熱材の泡をトラックに積んだ大型コンプレッサーによってホースで送り込んでいたため、8階以上の高さになるとコンプレッサーの力でも圧送できなくなるのでそれ以上は施工できなかったり、施工の際にトラックを長時間停める駐車スペースが必要だったのですが、最近はコンパクトなコンプレッサーで施工できる業者もいるようで、コンプレッサーが持ち込めれば階数に関係なく、広い駐車スペースも必要なくなりました。

それでも扱っている業者じゃないと施工できないのは変わりません。 注意点としていづれの工法も、外壁と内壁の間に断熱材を挟み込むので、内側に壁がせり出すために専有面積が狭くなるということもあります。

窓の断熱

壁、床、天井の他に熱の出入りする場所は窓とドアがあります。

特に半数以上の割合を占めているのが、なんと窓なんですね。

だから極端に言うと、窓の断熱が完璧なら、お部屋の快適度は保たれるといっても過言じゃないくらいです。

だからといって「窓」の「断熱」には問題があって、国土交通省が標準モデルとして作成した「マンション標準管理規約」によると、「窓」・「窓ガラス」は基本的には共用部分に含まれることになりますが「標準管理規約」はあくまでも標準モデルとして作成されたものなので、それぞれのマンションの管理組合ごとの管理規約を確認することが必要です。

基本的には窓の外枠は触らずに、内窓を設けて「断熱」するというケースがもっぱらですね。

窓の断熱方法もDIYレベルから本格的工事まであります。

DIYレベルでいうと

・シートやフィルムを直接貼り付ける

断熱フィルムやシートを窓に貼るのは一番手軽で安上りな方法です

メリット

冬の冷気が伝わりにくくなる
外から室内が見えにくくなる
紫外線をカットしてくれる
ガラスが割れたとき、飛散する破片の量を減らしてくれる
などの効果が期待できます。

デメリット

窓ガラスの種類によっては、割れてしまうことがある断熱フィルムや断熱シートを貼る場合は、窓ガラスの種類を確かめる必要があります。

熱割れが起きやすい窓ガラス

  • 網入りガラス
  • ペアガラス(複層ガラス)
  • 日差しを反射、吸収するガラス

ガラスに直接貼るタイプ

3M スコッチティント ウインドウフィルム LE65CLARなど、遮熱性、紫外線を99%カット、ガラスの飛散も防止などの効果があります。

同じく、住理工商事 リフレシャインTW32は、断熱、遮熱性。ガラスの飛散防止、紫外線カットに加えて防虫機能も期待できます。

サッシに貼るタイプ

ニトムズ 窓ガラス透明断熱フィルムなど、1枚の窓で、二重窓と同じ効果を得る仕組みです。

気泡緩衝材

断熱シートの片面に「気泡緩衝材」を取り付けたもので、よく梱包に使われる緩衝材に近い「プチプチ」のことです。断熱シートは窓ガラスと室内の間に空気の層を作り、ペアガラスのような効果をもたらします。

その他、断熱カーテンを吊るしたり、窓ガラスに専用のシリコンコーティングを施す断熱スプレーを吹き付けるのも効果的ですが、断熱スプレーの効果は1か月ほどなので季節的に使うというものですね。

リフォームでできる「断熱対策」

断熱対策用の窓ガラス

断熱効果のある窓ガラスは、大きく3種類に分けられます。

「熱線反射・熱線吸収ガラス」

日差しをカット
可視光線をはね返す。
室内が見えにくい「目隠し」の機能
ガラスには色が付いている
太陽の光・熱線を吸収することで、室内を快適な温度に保つ
などガラスによっていろいろな機能が付いています。

「ペアガラス」(複層ガラス)

2枚のガラスが作る空気の層に、乾燥させた空気を入れるタイプ
熱を伝えにくいアルゴンガスを入れるタイプ
2枚のガラスが作る層を真空にしたタイプ
などの種類があり、断熱効果の他に、結露の発生を防ぐ効果もあります。

「リフォーム用のガラス」

旭硝子 ペヤプラス・エア
既存のサッシに取り付けられるLow-Eペアガラス

セントラル硝子販売 窓ンナ
2枚のガラスの間に特殊なガスを入れたペアガラス
片方のガラスは金属の膜で覆われています(Low-E膜)
使用しているサッシのまま、窓ガラスの交換が可能です。

ペアガラス(二重窓)、二重サッシ

ペアガラス(二重窓):カバー工法

カバー工法は、使用する窓ガラスからサッシを取り外し、古い窓枠に新しいサッシを取り付けるリフォームです。壁を壊さずに窓のリフォームができるため、マンションでよく用いられる工法です。

ペアガラス(二重窓):既存のサッシをそのまま使う

現在使用しているサッシにペアガラスを取り付けるリフォームです。ガラスのみの交換で済むため、作業時間や費用が抑えられます。

二重サッシ

ガラスをペアガラスに換え、内側にサッシを1つ増やす方法です。

ペアガラスや二重サッシの設置費用の相場

おおまかな目安として費用概算は次の通りです。

DIYの場合

・窓ガラスのみの交換
商品代+ガラスの処分費用=費用の相場:1万~4万円+数百円

・窓ガラスとサッシの交換
商品代+ガラスとサッシの処分費用=費用の相場:2万~7万円+1,000円弱

・二重サッシ
商品代=費用の相場:2万5,000~7万円

業者に依頼した場合

・窓ガラスとサッシの交換
商品代+工事費=費用の相場:4万~10万円+2万~4万円

・二重サッシの取り付け 引き違い窓 カバー工法
商品代+工事費=費用の相場:15万~20万円(工事費込み)

ガラスのサイズや工事する窓の数によって価格は異なります。また、業者に依頼する場合1つの窓だけをリフォームすると料金単価が高くなるので注意が必要です。

まとめ

壁・天井・床の「断熱」を施すにも、「乾式」と「湿式」があり、窓の「断熱」についても、シートやフィルムを貼ることから、ガラスを替えてみたり、サッシごと替えてみたりいろいろな方法が選択できます。手間と費用と効果をよく考えて選択してください。

窓の「断熱」は、採寸した材料があればご自分で取り付けることも可能ですが、前述したように、専有なのか共有なのかを事前に管理組合に確認の上、行うようにすることをおススメします。