マンションの部屋選びの決め手(断熱編)

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「断熱」から見たマンションの選び方

マンションの躯体自体に「断熱性」はほとんどありません。

鉄筋コンクリートのマンションはその性質上、本体だけでは断熱性がほとんどありません。つまり快適な生活を過ごすためには「断熱」工事をすることが不可欠なんです。

ところが驚くことに、わが国の今までの建築基準法では断熱材の使用は義務付けられていないんです。(省エネ基準で法的に義務化されておらず、努力義務とされています。)

だから現在でも断熱材を使わない住宅を建築することができてしまうのです。

そんな状態を打開する試みとして、住宅金融公庫(現在のフラット35)でお金を貸すときに、断熱性能の高い住宅は多くの資金が借りられるようにしたおかげで、だいぶ「断熱化」が進んできたというのが実情のようです。。

現状ですらそのような状態なので、30年以前に建てられたマンションに至ってはぜんぜん「断熱」処置をしてないことがよくあるので、その点は中古マンションを購入する場合に重要な確認ポイントになりますね。

当初、2020年に断熱についても厳しい基準を義務づける「省エネ基準の義務化」が施行される予定でしたが、延長されまだ時期がはっきりしていません。

見送られた原因に、消費税増税による住宅市場への影響があるのではないかと考えられます。

しかしいづれ施行されたら、基準がきびしくなる分、それに適合しないマンションの価値が下がるという懸念は十分考えられますね。

この件につきましては後日記事として取り上げます。

マンションの住戸の位置によって違う「断熱」

これからは、適切な「断熱材」を使用した断熱工事済の「断熱マンション」であることを前提に、マンションの位置によって異なる「断熱」について考えます

マンションでは住戸の位置によって中住戸、最下階、最上階、妻(つま)住戸に分けて断熱の方法が異なります。

中(なか)住戸

マンション全体の住戸のなかで上下左右を他の住戸に囲まれた位置にある住戸を「中(なか)住戸」といいます。

壁面と天井、床を合わせた6面のうち自分の住戸の上下左右にある隣戸が断熱材の役割を果たしてくれますので、バルコニー側及び外廊下側の2方向が該当住戸で熱が逃げる場所となります。

他の住戸と比べ省エネ性が高くなるのがこの位置にある住戸の特徴で、その点だけで住戸を選ぶなら、この【中住戸】がおススメです。

最下階

マンションによっては専用庭などがついていて人気のある最下階の住戸ですが、当然、真下に住戸がなく、地下があるマンションなどではピットとよばれる設備配管用のスペースや1階部分がエントランスホール、駐車場、管理人室などが配されていて実質2階部分が最下階の住戸になっているというケースも多くあります。

断熱のポイントは床部分の断熱処理ですが、この最下階住戸の床下全面に断熱材を敷き込んで対応しているかどうか確認することがポイントですね。

最上階

見晴らしがよく、上には住戸が無いので天井からの騒音もほとんどなくその点では快適な最上階ですが、天井面が直接太陽から照らされますので、当然夏場は上からくる熱気で部屋が暑くなりやすいため、【天井全面】に断熱材を十分敷きこんで対応しているかどうかが確認のポイントです。

 

 

妻(つま)住戸

住棟の両端に位置し、壁の三方が外気に面している位置にある住戸を(妻住戸)と言います。

要は各階の両端に位置し三方が外に接する壁なので、中住戸より1面多めに窓をとることが出来るし、バルコニーを広く設けることが可能なことから開放感があり、人気のある住戸ですが、外気に接する壁が多い分、住戸より条件が劣ると言ってよいでしょう。

妻住戸を購入する場合は、外気に面した三方の壁にきちんと断熱材が施してあるか確認することがポイントです。

中住戸・最下階・最上階・妻住戸の各住戸の断熱について比較してみました。

省エネ性で考えると、【中住戸】がいちばんいいようですが、他の面で考えるとそれぞれの住戸に魅力があり、住む方の好みもあるでしょうから、【中住戸】じゃなきゃダメだということでは決してないのですが、選んだマンションがちゃんと断熱材を施した《断熱マンション》であることを確認しないのは絶対ダメですね。

断熱マンションの見極め方

しっかり「断熱」されたマンションかどうか確認するいくつかの方法があります。

直接営業に聞いてみる

「なんだ」と思われるかもしれませんが、いたって単純で効果的なことです。

ただし聞き方はこうです。

「熱橋(ねっきょう)」にきちんと断熱の折り返しをしているか」

と聞いてみてください。

「熱橋(ねっきょう)」とは、建物のある部分で熱の行き来が生じる部分。床スラブと壁スラブの交わる部分(ヒートブリッジともいう)を言い、ここが一番「断熱」のポイントになる部分です。

ここがしっかり断熱されているかどうかが、見極めポイントになります。

専門的な部分になるので、営業の方からすぐに返答をもらえるかどうかわかりませんが、後日でもいいので返答をもらうようにしたほうがいいでしょう。

「設計住宅性能評価書(または建設住宅性能評価書)」を見せてもらう

「住宅性能評価書」とは、そのマンションの性能や品質が一目でわかる成績証明書のようなもので、その書類の「5.温熱環境・エネルギー消費量に関すること」の「5-1 断熱等性能等級」という項目で等級4を取っていれば、まず安心だと思います。

まとめ

「断熱」の適切な処置がされているかどうかは、快適な生活を送るためにも、省エネ的にも長く生活していけばいくほど、大きな差になって表れてきます。

また省エネ基準の断熱義務化に適合するかどうかは、マンションの資産価値にも大きく影響することになりますので、マンション購入を考える際には、ぜひ「断熱」の確認を怠らないようにしてください。