今回はいづれもグラフィックデザイナーのご夫婦のリノベーションです。約10年間賃貸住宅に暮らし、このまま家賃を払い続けても、”自分の家”として心から落ち着いて暮らせないのではと気になり始め、それならば家を購入し、自分たちの思い通りの住まいを手に入れようと考えていたころ、奥様の会社でも家探しを始めている方が多く、「中古マンションでリノベーションをする」という話を聞く機会があり、社内で毎日のように「こんな方法もあるよ」とか「リノベーションって楽しそう!」という声が上がっていて、そこで自然と、自分たちにはリノベーションが合うのではないかと決心したそうです。
6~7件ほど内見し最後に見た三宿の物件はご主人の要望通り周りに商店街も多く、前の家と生活圏が重なっているので、暮らしやすそうと感じられたお二人。「このマンションはエントランスもキレイだし、常駐の管理人さんもいてくれて、とても気持ちよく住めています。」という理由で、43の㎡のこの物件に決めました。
ご夫婦が抱いていたイメージは、「ヨーロッパにある、庶民的でマニッシュな雰囲気のホテルみたいにしたい」で、つまりそれはシンプルでキレイ、且つ機能的で余計なものがない居心地の良い空間ということだということです。
そんな意向を受けてデザイナーが提案したプランのコンセプトは「ひだまりのイエ」。黒鉄の窓枠や、塗装仕上げのざっくりとしたアクセントはヨーロッパの雰囲気として取り入れつつ も、二人が日向ぼっこをしながら安らげるようなプランだそうです。
ご夫婦宅にはオークやウォルナット、そしてチークなど様々な木がバランス良く調和していて、リビングには、白いブラインドを設置し、ブラインドから漏れる光がフローリングを気持ち良く照らします。ひだまりのイエというコンセプトが、まさに実感できる住まいが出来ました。
ご主人は、もともとアクティブで好奇心旺盛なタイプだと言いますが、リノベをしてから家のインテリアや小物、そしてお茶請けまでも自転車であちこち飛び回って探しに出ているのだとか。どんなに小さいスペースにも、”間に合わせ” のものを買わずに、作り手の背景が見えるモノをきちんと丁寧に飾っているお二人を見て、住まいは住まれる方が本当に手作りで作り上げて、そこで快適な暮らしをじっくりと育んでいくものだと実感いたしました。
コメント
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